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5 食堂

last update 최신 업데이트: 2025-11-21 20:51:40

 俺は笑顔で手を振り、エドアルドに近付く。

「ごめん、待った?」

「あ、いいや」

 そう答えてエドアルドはぎこちなく笑い首を横に振る。

「じゃあ行こうぜ」

 と言い、俺は彼に手を伸ばした。

 するとエドアルドは戸惑ったような顔になる。

 って、なんで俺、手なんて出してんだ?

 自分でも驚いてしまい、俺は出した手を引っ込めて、食堂の入り口を指差した。

「あ、あぁ」

 ぎこちなくエドアルドは頷き、俺たちは食堂へと向かって歩き出した。

 食堂は、ショッピングモールのフードコートみたいに和食や洋食などで分かれていて、事前に食券を買うスタイルだ。

 明らかにファンタジーな世界なのに、こういうところはとても日本ぽいのはゲームの中だからだろうな。

 俺たちは食券の販売機のそばにあるメニュー表を見ながら、何を喰うか考えた。

 昼休みが始まったばかりなおかげでどこの店も混雑している。

 ハンバーグとかオムライスを扱ってる店が一番人気っぽいけど、定食が多い店も人気がある。定食は量が多いのが魅力なんだよな。

 麺類やパンの店は女性客が多かった。

 ルカの記憶だと俺はよくハンバーグを喰ってるらしい。

 そう思うとハンバーグを食べたくなってくる。

「エドアルドはいつも何食べんの?」

 メニュー表から目を離さず俺は尋ねた。

「麺類のローテーションかな。たまにハンバーガーを食べるけど」

「あれ、あんまり食わないの?」

 二十歳前後なんて超食べるイメージなんだけど。俺なんてそうだし。

 言いながらエドアルドの方を見ると、彼は首を横に振った。

「そうだな……あまり量は食べないな。麺類なら早く食べられるし、人が多い所はあまり好きじゃないから」

「麺類選ぶのってそういう理由?」

 俺の問に、エドアルドはこちらを向いて言った。

「あぁ。食堂は人が多いからな。普段は食べたらすぐ、図書館にこもってる」

 図書館。本がたくさんある場所。ルカの記憶を思い出すと俺も図書館によく行っているらしい。まあ、ぼっちだしスマホもないから時間潰すってなると本読むくらいしかできないもんな。

「なら俺と一緒じゃないか。俺も休み時間のほとんどは図書館にいるし」

 その割にはエドアルドを見た記憶がないけど、あそこ広いからな……

 俺の言葉にエドアルドは驚きの顔になる。

「そう、なのか?」

「そうだよ。まあ、俺も騒がしいのはあんまり好きじゃないから」

 ぼっちだから、とは言えず俺は笑って誤魔化す。

「もしかしてお前、いつもひとりなのか?」

 どストレートに言われた言葉が、胸に突き刺さる。

「そ、そうだよ。だって俺……明らかに浮いてるし」

 言いながら俺はエドアルドから視線をそらして俯く。

 俺の出自は自分から言ってなくても有名だ。

 町娘と駆け落ちした王子の子供。最初この学校に入った時のみんなの視線は、珍獣を見るような目だったんだよな……

「失踪した王子の子供。王位を狙っているって噂があるな」

「そんなん無理に決まってるじゃないか。王太子がいるんだし、俺は王位継承権なんていらないよ」

 でも俺、確か王位継承権三位なんだよな……

 国王にはふたりの王子がいる。そして男だけが王位継承権をもつから、国王の弟の子供である俺は自動的に王位継承権をもってしまっている。

「確かに野心家には見えないな。一般人ぽいし」

 そりゃそうだろう。俺は少し前まで一般人だったんだから。

「だろ? でも俺滅茶苦茶浮いてるみたいで話しかけても愛想笑いされて逃げられてそれっきりだよ」

「へえ、王族なら喜んでみんな近づくものだと思ったけど違うんだな」

「俺、たぶん王族とか思われてないよ」

「それはないと思うけど、孤立しているのは俺と同じだな」

 そうか、こいつも俺とは違う理由で浮いている。

 休学していたからなのか毒公爵の異名がそうさせるのか、ルカの記憶でも定かじゃない。

 俺は彼についてほぼ知らないからな……

 それが何で、マリアの攻略対象になるんだよ?

「なあ、俺たちって昨日が初対面、だよな」

 顔を上げてエドアルドの方を見て尋ねると、彼は不思議そうな顔をしつつ頷く。

「顔は知っていたけど……話したのは昨日が初めてだな」

 そうだよなぁ……

「それより、お前は食べるもの、決まったのか? 時間なくなるぞ」

 そうだ、昼飯食べるんだ。

「えーと、俺はハンバーグ喰う。エドアルドは?」

「俺は……スパゲティだな」

 そして俺たちは食券の列に並んだ。

 

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